シンガーソングライターの綿引ゆうです♪
バンドのボーカルをやってみないかと誘われた・・・
ボーカル募集を見てやってみたいけど、私にできるかな・・・
あんな風にステージで歌ってみたいな・・・
こんなことをきっかけに、ボーカルをやってみたいと思うことがあると思います。
でも、「自分はボーカルに向いているのだろうか」と不安になりますよね。
ボーカルに向いている人って、どんな人なのでしょう。
この記事では、私自身の経験を踏まえて、ボーカルに必要な素質についてお話ししてみたいと思います。
ボーカルの必須条件
まず、ボーカルをやる上で、必須の条件をあげてみます。
歌が好きなこと
これが一番大事な最低条件です。
「歌うことが大好き」でなければボーカルはつとまりません。
どんなに歌が上手くても、歌うことがそんなに好きじゃない方もいます。
下手の横好きでもいいから「大好き!」という情熱を持てる人は、ボーカルになるべきです。
困難があっても、やり続ける覚悟がある人
どんなことをやっていても、上手くいかないことはあります。
ボーカルは一番目立つポジションです。いいところは元より、悪いところであっても、他の楽器よりもとても目立ちます。ここぞというときに失敗してしまって落ち込むということも、多いかもしれません。
また、ボーカルはバンドの顔として見られることが多いです。ファンレターが届くのもボーカルですが、苦情を言われるのもボーカルなのです。無責任に、変ないちゃもんをつけてくるお客さんもいます。
誰でも、得意なこと、苦手なことはあります。初めてだったら、なおさら、わからないことだらけです。
そんな中で、なんとか自分の力で調べたり、メンバーと相談したり、会場の人と相談したりしながら、わからないなりに前向きに進めることができますか。
それさえできれば、何の問題もありません。
すぐに嫌になって「やめた!」と投げ出さなければ、何とか解決策は見えてくるものです。根気強く続ける覚悟を持っていれば、誰でもボーカルになることはできます。
必須ではないもの
そして、これから挙げるのはボーカルになるのに絶対必要なものではありません。なのにもかかわらず、初心者の方がよく気にするポイントでもあります。
歌が上手い
そりゃ、歌が上手いに越したことがありません。
だけど、上手くなくてもボーカルで成功している人もいます。
なぜなら、お客さんは上手い歌だけを求めているわけではないからです。
・とにかくカッコイイ、又は絶世の美女
・トークが面白い
・なんだかわからないけど、魅力的
など、お客さんの心をつかむことができれば何でもいいのです。
「ゆうさんは、歌が上手いからボーカルなんだね。」
なんて、言われたことがあります。
そんな言葉を聞くたび、「でも、それはボーカルになった理由じゃないよ・・・」と心の中で叫んでいます。
だって、上手さというのは、これまで時間をかけて練習をした結果だと思っているから。その気になれば、誰でも手に入れられると思うからです。
それをわかっているプロの演奏者たちは、ちょっと歌の上手い素人さんを見ても「この人プロで活躍できるな」と思ったりはしません。
努力次第で歌が上手くなることは誰でも可能だし、ステージ上ではそれ以外の要素が大きいと知っているからです。
だから、歌が上手い、下手というところだけにフォーカスするのはやめましょう。
下手が嫌ならば、練習して上手くなりさえすればいいのですから。
才能がある
私の音楽高校時代のクラスメートで、ものすごく歌が上手い子がいました。
持って生まれた美声の持ち主で、ひとたび歌えば全員を魅了するほど、心に迫る歌を歌う子でした。
彼女は、私がどんなに練習してもできないことを、練習もせず楽々やってしまいます。これぞ才能というものを、これでもかと見せつけられました。そして、自分の才能のなさを毎日嘆いていました。
でも、その子が歌う理由は、「親がどうしても音大に行ってほしい」と熱望するからだったのです。彼女の歌を聴けば、親御さんがそう思うのは当然だろうと気持ちはすごくわかります。
本人としては、歌は親が喜ぶからやっている。そんなに歌が好きなわけでもないし、何より勉強が嫌いだから音大には行きたくない。それよりは、家業である洋服屋さんで、洋服を販売する仕事に就きたいと言っていました。
彼女は、某名門音楽大学を卒業しました。ですが、卒業後は歌を未練もなく手放してしまいました。希望通り、家業を継いで、洋服を売っています。
「神様、なんで彼女の才能を私に与えてくれなかったの?使わないものを持ってたってしょうがないじゃない!」と何度思ったかわかりません。
でも、それは自分の力ではどうにもならないことですよね。それよりも、地道に努力をして、うまくなればいいじゃないかと割り切るしかなかったのです。
彼女に限らず、音楽の才能溢れる人がその道に進まないという現実をたくさん見てきました。
それより、時間はかかってもコツコツ積み上げた人の方が、音楽に対する執着が強いのです。ちょっとくらいの困難では辞めません。長く続けることによって、結果的には、一般の人から見てすごく上手いというレベルまでは到達できるのです。
だから、才能があるとかないとか、始める時点で考えない方がいいです。歌が本当に好きで、情熱を持ち続けられるかの方が重要なのですから。
美しいルックス、明るい性格
ボーカルは、バンドの中でも花形であり、一番目立つポジションです。
ですから、「そんなにかっこよくないし、性格も明るくないし」という人は躊躇してしまうかもしれません。
でも、だからと言って、そこまでルックスがよくなくても、引っ込み思案で暗い性格でも、何の問題もありません。
ルックスは、個性の表れです。かっこいい人はかっこいい路線でいけばいいし、個性的な人はその個性を生かすようなファッションなどで、お客様を引きつければいいのです。
人の好みは様々です。いかにも男らしい人が好きな女性もいれば、中性的な魅力の男性が好きな女性ももいます。自分にしっくりくるキャラクターをイメージして、自分らしく振る舞えばいいのです。
しいて言えば、最低限の清潔感がないといけません。ですが、それ以外は、これじゃなければダメということはないのです。
また、暗い性格だと思っているのは、単なる思い込みの場合が多いです。人というのは、特段意識をしなくても、場所や人、環境など応じて変わるものなのです。
「高校デビュー」という言葉があります。高校に入って周りを取り巻く環境が変わったら、別人のようになったという話はよく聞きますよね。
実際、私のことで言えば、普段はメイクもせず、地味なインドア派。必要最低限の人付き合いしかしない方です。でも、ステージ上ではガラリと変わります。
派手なドレスを身にまとい、ペラペラと平気でMCをしたり、見知らぬお客様に声をかけたりということを、普通にしています。
だから、普段こうだとか、これまでこうだったからと言って、それがイコールボーカルに向かないわけではないですよ。
高校デビューのように、「ボーカルデビュー」していつもと違う自分を演出してみるのもいいですね。
まとめ
「ボーカルに興味がある。やってみたいなと思っている。」
そんな方へのアドバイスは、
ボーカルに向いている、向いていない、そんなのはどっちでもいいことで、大事なのは、歌が好きかどうか、そして、困難があってもやり続けるだけの意思と覚悟があるかどうか。
これだけです。
だから、本当にやりたいのであれば、歌が下手でも、才能がなくても、ルックスや性格に自信がなくても、ボーカルになればいいのです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。