シンガーソングライターの綿引ゆうです。
「こんなに時間をかけて練習しているのに、何で歌が上手くならないんだろう?」
歌い続けていく中で、こんな問いに何度もぶつかってきました。
でも、どうすればいいかわかりませんでした。
「才能がないのかな。いっそやめてしまおうか。」とさえ思いつめていました。
そんな時、自宅での練習法をちょっと変えてみたら、みるみる歌が変わってきたのです。
レッスンに通うと、歌い方のテクニックなどは教えてもらえます。でも、自宅でどのように練習していくかという部分については、自己流の方が多いのではないでしょうか?
レッスンも重要ですが、その後、自宅でどんな練習をするかが上達の鍵を握っています。なぜなら、レッスンしている時間よりも、自宅練習の時間の方が圧倒的に長いからです。自宅練習の質を上げることで、格段に上手くなっていきます。
今日は、誰でもできるその方法をお伝えしてみましょうか。
もくじ
通し練習と部分練習
歌の練習には、大きく分けて次の2つがあります。
通し練習・・・最初から最後まで通して歌う練習
部分練習・・・上手く歌えない箇所だけを歌う練習
あなたは、自宅でどんな練習をしていますか?
ただやみくもに、通し練習を繰り返していませんか?
最初から通して最後まで。
また、最初から通して最後まで。
この繰り返し・・・
「昨日は5回、今日は10回も歌ったのだから上手くなるはず!」
かつての私も、こんな練習をやっていました。
しかし、通し練習を何度もしても、上手く歌えない箇所はなかなか上達しません。だからこそ、何度も部分練習を行うことが必須なのです。
部分練習のやり方
まずは、歌えていない部分を把握することが大切です。
いつもここで音程が外れる、リズムが乱れる、息が足りなくなるなど、良くないところを見つけ出します。レッスンの先生に、指摘された箇所でもいいです。そこだけを切り取って、部分練習を繰り返しましょう。
「部分練習」のやり方は簡単!
出来ていないフレーズを2小節から4小節くらいに切りとって、何度も反復練習をするだけです。繰り返し同じフレーズを何度も、しつこくできるようになるまで繰り返します。これは、かなり退屈でストレスがかかる作業です。先に行きたいのに進めない、もどかしい気持ちになります。
しかし、これを行うと劇的に上手くなっていきますので、騙されたと思って続けてみてください。
簡単で地味な作業ですが、とても効果があります。
練習ノートを作る
日々の練習の様子を記録すると、練習の効果が目に見えて分かります。そして、昨日練習をしたことをより定着させていくことができます。ぜひ、練習ノートを作って記録してください。
メモのような走り書きですが、私はこんな風につけています。
私は、今日の喉の調子とか、その時に感じたことなども自由に書いたりしています。自分なりに、アレンジして書き加えてください。
練習の前に、必ず昨日のノートに目を通し、ダメだった点を確認します。そして、「今日はここまでできるようになる」と目標を決めてから、練習スタートします。
そして、練習後には、練習ノートに必ず記録する習慣をつけましょう。
部分練習のポイント
練習すべき箇所を第三者(先生)に指摘してもらう
自分の歌声について、自分で客観的に良いか悪いかの判断はできません。自分の事というのは、絶対に主観が入ってしまい、客観的に見ることが難しいのです。必ず、第三者の意見を取り入れていきましょう。
レッスンの先生についている方は、先生に指摘された箇所があると思います。そこに重点を置いて、部分練習をしてみてください。信頼できる先生に客観的に聞いてもらい、悪いところを指摘してもらうのが一番の早道です。それが難しければ、友達に聞いてもらうなど、必ず第三者の耳でも聴いてもらいましょう。
これまで歌ってきたフレーズを捨てて指摘されたものに変えたい時は、慎重に歌うようにする!
これまでずっと歌ってきたフレーズの悪い部分を、第三者に指摘してもらったとします。そして、それを直そうとする場合を考えます。この時は、まずはゆっくり、慎重に正確に歌うようにしてください。
それまでの歌い方は、体に染み付いています。このため、気を抜くと、不意に前と同じように歌ってしまうことがあります。
一度でも前と同じ歌い方をしてしまったら、今までの練習がOになると思ってください。元の悪いフレーズを一回練習してしまったのと同じで、元に戻りやすくなってしまいます。
新しいフレーズを繰り返し練習して体に染み込ませ、意識しなくてもそれが自然と出てくるようになって、やっと体得できたことになります。
そこまでは気を抜かず、集中して歌い込んでいきましょう。
前後からのつながりも含めて練習する
フレーズがある程度上手く歌えるようになったら、前後の2小節くらいを増やして歌うこともやってください。フレーズ単独では歌えても、その前からつなげるとできないことが多いからです。前後からのつながりも含めて練習しましょう。
前後2小節増やしてできたら、曲の頭から1コーラスを通して歌います。
通して歌った時に、部分練習したところだけが力が入ってしまって、不自然にそこだけ声量が大きくなってしまうことがあります。全体のバランスを確かめながら行ってください。
録音して自分の声を客観的に聞いてみる
毎日の練習の最後には、自分の歌を録音して聞いてみましょう!
どこが良くないのか、部分練習することで本当に良くなっているのか、客観的な確認をして徹底的に直していく作業がこの練習法です。録音して確認すると、さらに効果が期待できます。
私は、iPhoneのボイスメモや、カメラ(動画で撮ると音も録れます。)で録っています。iPhoneならば、持ち歩いているのでどこでも録れますし、空いた時間にいつでも確認ができるのでとても便利ですよ。
周囲への配慮も忘れずに!
部分練習をする場合には、何度も同じフレーズを繰り返して練習することになります。あなたが家族と一緒に住んでいる場合、彼らは、何度も同じ部分を繰り返し聞かされることになります。この結果、彼らはストレスにさらされます。
私も、家族から苦情を言われました。
「壊れたレコード聞かされてるみたい。繰り返すのは、もういい加減やめてほしい」と・・・。
あなたが家族と同居されている場合、理解をしてもらうための努力が必要な場合があります。
普段から、「どうしても歌が上手くなりたい、そのためにはこの反復練習が必要なんだ。」と伝えておくだけでも、周りの反応は良くなりますよ。周りから応援してもらえるように、日頃からコミュニケーションをとっておくことは大変重要ですね。
部分練習に嫌気がさしたら・・・
先ほどもお伝えしましたが、この練習法は地味で退屈な練習でもあります。
上手くなるためには、絶対に必要な練習です!
ですが、あまりこればかりやっていると、音楽自体がつまらなく思えて嫌になってしまうことがあります。
そんな時は、「歌いたいように歌う」という時間を作るといいです。気持ち良く歌って、ストレスを解消することも大切です。
「歌うって楽しいな」という気持ちは忘れずに、客観的に見る作業も忘れずに、バランスをとっていきましょう。
まとめ
このように「できないところを反復する」のが本当の練習です。
通し練習と部分練習の配分が、上手くなるかならないかの分かれ目になります。
部分練習をベースにして、通し練習は、現状の把握と昨日までの練習の成果が出ているかの確認に使っていきましょう。
全体が仕上がってきたら、通し練習の配分を増やして、全体の流れを意識した練習にシフトするといいです。
そして、もう一つのポイントは練習ノートに記録すること!
記録することで上達が目に見えるので、モチベーションのアップに繋がります。
練習の流れ
1、昨日の練習ノートをチェックし、問題点を把握する。
2、最初に1回通し練習をして、全体を把握し、部分練習が必要なフレーズをチェックする。前日にした練習がきちんと反映できているかも、チェックする。練習ノートにメモする。
3、その結果に基づいて今日の練習プランを決め、部分練習をする。
4、最後に通して全体の構成などを確認しつつ、今日の練習に成果があったかどうかを確認する。録音して、客観的に今日の出来栄えを確認する。
5、練習ノートに今日の成果を記録する。
この記事で紹介した方法で練習すれば、格段に上達してきます。
周りの友達や音楽仲間から、「あれ?なんか上手くなったね!」と一目置かれる日も決して遠くありません。
早速、今日からの練習に取り入れてみてくださいね。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。