歌うメッセンジャーの綿引ゆうです。
スラスラ楽譜を読んで演奏する人を見て、すごいなと思ったことはありませんか?
「楽譜がスラスラ読めるだけですごい能力があるのでは!!」思ってしまいますよね。
私は幼少からピアノを習いましたので、楽譜は一通り読めます。ですが、初見(初めてみる楽譜を演奏すること)が苦手でした。
いつしか、初見で楽譜がスラスラ読める人を、憧れの眼差しで見ていました。と同時に、初見で楽譜が読めないということがコンプレックスになっていました。
でも、ある時、そんなことを気にしなくてもいいんだなと思うようになりました。それよりも、「いい演奏をするために大事なこと」に気づいたのです。
言い換えれば、楽譜が読めない人には、読めないなりのアプローチの仕方があるということです。
今日は、そんなお話をお伝えしてみたいと思います。
もくじ
楽譜は絶対に必要?
楽譜というのは、それがあればほぼ音楽を再現できるという素晴らしいツールです。でも、一流のミュージシャンの中には、楽譜を読んだり書いたりすることなく、自らの音楽を作り出している方も多数いますよね。
有名なところでは、ビートルズの全てのメンバーは譜面が読めなかったそうです。有能なスタッフが、譜面を書き起こしていたんだそうです。
日本でいえば美空ひばりさん、サザンオールスターズの桑田 佳祐さんなども、楽譜が読めないことで有名です。このことからも、良い演奏をするのに楽譜が必須ではないということがわかりますね。
2つのアプローチ
音楽を演奏するためには、主に2つのアプローチがあると思います。
・楽譜からアプローチをする方法
・耳で聴いてアプローチしていく方法
それぞれにメリット、デメリットがあるので、それをまとめてみました。
楽譜が読めるメリット・デメリット
メリット
・知らない曲でもすぐに演奏ができる。
・記憶しなくてもいいので、多量に音楽に触れることができる。
・模範演奏を聴かなくても、おおよその曲想をつかむことができる。
デメリット
・深くその音楽を理解しなくても、表面的には演奏できてしまう
・楽譜なしで演奏するためには暗譜する必要がある。
耳で覚えるメリット・デメリット
メリット
・メロディー、リズムを覚えると同時に曲想、ニュアンスも覚えることができる。
・演奏できるように練習するだけで、暗譜がすでにできていることが多い。
・頭に全て入っているため、ステージ上でも余裕を持って演奏できる。
・ピアノ等楽器の演奏時にステージが暗くて楽譜が見えないなど、ステージ環境に左右されることが少ない。
デメリット
・演奏できるまでに時間がかかる
・緊張した時などに、頭が真っ白になり演奏できなくなる恐れがある。
・他の人に伝える時、楽譜がないと不便。実際に演奏したり音源を聴かせるしかない。アンサンブルなどの時はどうしても楽譜が必要。
あなたはどっちのタイプ?
どちらのタイプにも、優れた演奏者は大勢います。
私の個人的な感覚としては、耳からのアプローチが強い人に憧れがあります。
私はかなりの部分で楽譜に頼っているところがありますし、耳がいい方ほど感性に優れていているなと思うからです。
耳からアプローチタイプのミュージシャンは、紛れもなく、とてつもなく耳がいいのです。素晴らしい集中力で聴きとり、再現できる能力があるのです。本当のところは、楽譜が読めないのではなく、読む必要がなかっただけなのかなと思います。いわゆる天才肌というのでしょうか。
でも、耳を鍛えれば、楽譜にそこまで強くなる必要がなくなります。
そして、トレーニングにより耳はいくらでも鍛えることができます。
耳の鍛え方
それでは、トレーニングをご紹介していきましょう。
1、かっこいいなと思うフレーズを、耳でコピーしてみること。
シンプルですが、これが一番早道かと思います。
自分が心から好きな音楽であれば、繰り返し聴くことや覚えることも苦になりません。
「そんなのできない!!」と諦めずに、まずはトライしてみましょう。
やり方
1、声に出して、歌ってみてください。
ギター・ピアノなど楽器の演奏であっても、聴こえたように歌うことは大事なトレーニングです。歌えない場所は、だいたいにおいて演奏もできないことが多いです。逆に言えば、歌えるようになれば、不思議と指が動いて弾けるようになるんですよ。
なので、何回も何回も聴いて覚えてしまいましょう。
早いフレーズは、ゆっくりに速度調整できるアプリを使うと、やりやすくなります。(耳コピ、アプリなどで検索するとたくさん出てきます)
覚えたら「ラララ〜」などで完璧に音を取れるまで、歌ってみましょう。
2、ピアノなど鍵盤の楽器で、今覚えたメロディーを弾いてみてください。
ギターでも良いですが、鍵盤があると音の幅が目で見てわかりやすいです。
音を探りながら本当にあっているか確かめる作業をすることで、正確に取れるようになります。慣れないうちは間違って覚えたりしてしまうので、録音して聴くというのも同時に行うといいです。
最初は大変かもしれませんが、全ては慣れです。短いフレーズでもピアノなどで探っているうちに、少しずつできるようになりますよ。
2、目を閉じて演奏してみること
私は、日々のトレーニングとして、目を閉じて歌を歌う、ピアノを弾くということをしています。
目を開けているよりも、ささいな声質の違いに気づくことができます。ピアノの鍵盤の間隔であるとか、タッチの強さによってこんなにも音色が変わってくるなとか、視覚以外の感覚でアプローチすると新たな発見があるのです。
とはいえ・・・併用が一番いい
とはいえ、耳だけで楽譜なしでやろうとしても、たいていの方は壁にぶつかるのではないかと思います。
耳だけでうまくいくならばそれでOKです。でも、うまくいかないならば、譜読を覚えたほうが断然早くうまくなります。譜読は少し勉強すれば、才能があるなし関係なくできることだからです。
どちらもいいとこ取りで、両方のアプローチ併用していくのが、一番いいと思います。
例えば、私はこのように併用しています。
・楽譜からのアプローチ
様々なアレンジ、コード進行、ピアノの伴奏のパターンなど覚えるために、これぞという楽譜を見つけ、完璧にコピー、暗譜し自分のものにする。
・耳からのアプローチ
コピーしたい楽曲を聴き、これをピアノの弾き語りで弾くにはどのようなアレンジにするか自由な発想で考える。
まだあまり演奏のパターンを持っていない場合は、楽譜からのアプローチでたくさん引き出しを増やすのが有効です。たくさんの演奏パターンを知ることで、選択肢が増えて、自分らしい音楽が作っていけるようになります。
まとめ
楽譜が読めないからって、音楽を諦める必要はありません!
譜読能力と演奏能力は、全く関係がないからです。
ですが、耳を鍛えること、譜面を覚えること、
両方からのアプローチであなたの音楽の可能性はぐんと広がります!
譜面の読み方には今回触れませんでしたが、また別の記事に書いてみますね。
耳を鍛えるトレーニングは、ぜひ今日から取り入れてみてください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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